音声外来

声のメカニズム

声の元となる声帯は、喉仏の骨の中にあります。声帯は空気を吸うときに左右に拡がり、大きなすき間を作ります。声を出すときには声帯が内側に閉じ、すき間はごく小さくなります。

また、声帯の緊張は高くなり、振動を起こしやすい状態となります。肺から吐き出される空気はこの小さなすき間を通り、声帯が振動して音がでます。声帯で出ている音は「ブー」という振動音で、美しいとは言い難い音です。

しかし、その振動した空気は声帯より上の空間(咽頭腔、鼻腔、口腔)で増幅・整音され声となります。この一連のメカニズムに異常が起こると、声の障害が起こります。

治療内容

一般の耳鼻科において声帯そのものに異常がないと判断されても、実は声帯の動きに異常をきたし、声の障害が起っていることもあります。
当院での音声診療では、どこに異常があるかを丁寧に診察し、症状改善の手助けを行います。また、声の異常を治療するだけではなく、声を「高くしたい」、「低くしたい」、「渋くしたい」、「可愛くしたい」など、あらゆる願望に対して可能な限り対応致します。

音声の治療は大きく分けて「音声治療」「声帯注射」「手術治療」の3つです。現在の症状に応じてこれらを組み合わせることもあります。

01音声治療

音声専門の言語聴覚士による、声のトレーニングを行います。声帯の動きや呼吸法、口の動きなど、発声メカニズム不調の原因を探り、症状改善を目指します。それぞれの患者様に関してゴール設定を行い、患者様に合った音声治療を行っていきます。

診察にあたっては患者様の声の聴覚印象、実際の声帯の状況、音響分析を参考にしつつ言語聴覚士とともに方針を検討します。その上で手術や音声注射の適応となる症例と判断した場合は、それぞれに進むこともあります。

02声帯注射

症状に応じて様々な注射材料があります。基本的に外来で受診当日に受ける事が可能です。

1ボツリヌストキシン(ボトックス®︎)

内転型けいれん性発声障害の方に行います。声帯の動きに関連する筋肉を一時的に麻痺させ、声帯が過剰に閉じないようにし、症状を改善させます。注射の効果は一時的であるため、数ヶ月おきの注射が必要です。当院では声帯を直接観察しながら注射を行うため、失敗することはほぼありません。

2ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、声帯粘膜を構成する成分の一つです。これを注射する事で、声帯のボリュームが改善し、声が出しやすくなることが期待されます。声帯萎縮症声帯麻痺の方に行います。注入されたヒアルロン酸は、数ヶ月〜半年かけて周囲の組織に吸収され、繰り返しの注射が必要な場合があります。

3ステロイド(ケナコルト®︎)

ステロイドは炎症やそれに伴うむくみを抑える効果があります。炎症により声帯が腫れたり、硬くなっている状態を改善させます。ガラガラ声や極端に声が低い状態に効果的です。

4bFGF(フィブラスト®︎)

声帯粘膜の細胞を刺激し、ヒアルロン酸の生成を促進します。声帯萎縮症などの声帯が痩せた状態、または声帯瘢痕症などの声帯が硬くなった状態に効果的です。ヒアルロン酸の効果が一時的であるのに比べ、bFGFの効果は永続的です。しかし、効果に個人差があります。

5自家脂肪

頬やお腹周りの脂肪を採取し、声帯に移植します。程度が強い声帯萎縮症の方に行います。全身麻酔での手術となります。

03手術治療

当院の手術治療は、一部の術式を除き全て日帰りで受けることができます。詳しくは「声(喉)の手術」のページをご覧ください。

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